この夏、皆さまは旅行に行きますか?ロードバイクやクロスバイクと一緒に旅に出れば、滞在先での行動範囲もぐっと広がります。
特に暑さの厳しいこの時期は、せっかくの休日も早朝か夕方にライド時間を制限しがち。お盆などまとまった休みがとれるチャンスには、涼しくて、ライドしていて気持ちいい場所を探したい。前回の北海道・東北・能登編に引き続き、今回は長野県。話しを伺ったのはライターの齋藤むつみさん。先日、長野県に移住した彼女に、信州でこの夏乗りたいおすすめスポットを聞きました。
---------------------------------------------------------------------------------
真夏のライドを楽しむためには、日焼け対策や、気温の高い時間帯を避けて早朝に走るなど一工夫が必要です。その中でも最もオススメな暑さ対策は、涼しい高原を走ること! まとまった時間が取れる夏の休暇には、愛車とともに小旅行気分で避暑地ライドを楽しみましょう。
今回紹介するのは、関東圏からの避暑地としては、スポーツサイクルに関わらずとも定番の「信州」から。5月にはスペシャライズド社がメインスポンサーを務める人気のロングライドイベント「アルプスあづみのセンチュリーライド」で通る長野県安曇野市は、スペシャライズドオーナーにはすでにお馴染みの土地かもしれません。北アルプスの麓にのどかな田園地帯が広がる安曇野市は、初心者に優しいコースも、坂道が大好きな中・上級者にもうってつけのコースも、雄大な自然の景色とともに楽しめます。
「アルプスあづみのセンチュリーライド」では北アルプス側の山に沿った山麓線を走り、白馬へ向かいますが、安曇野市を走るなら、地元サイクリストが好んで走る東側の山々もオススメ。今回は北アルプスと安曇野の景観を楽しめる3つのビューポイントを紹介します。
1つ目は篠ノ井線の明科駅からすぐアクセスできる長峰山(標高933m)。曲がりくねった山道の先にある展望台から、雄大な北アルプスの山々と安曇野市が一望できる絶好のビューポイントです。明科駅からは6.6km、標高約400m差で、平均勾配は約6%と程よい走りごたえを感じながら上りを楽しめるのではないでしょうか。
2つ目は、安曇野市から県道51号線で繋がる隣の池田町の大峰高原です。春夏秋冬、様々な色合いで魅了する「7色大カエデ」が有名で、テレビ番組の撮影地としても名を馳せました。大カエデまでは51号沿いの池田町町役場から300mほど上ります。そして、まもなく標高1000mの大峰高原に到着です。大峰高原は木々のトンネルを抜けながらしばしフラットな涼しい高原ライドを楽しめ、北アルプスを望めるビュースポットも見逃せません。
大峰高原を抜けると唐花見湿原のある国道55号線に出ます。元来た道を戻るのも予定次第ですが、すぐにトンネルが見える左のルートを行けば、信濃大町駅(大糸線)まで続いており、そのトンネルを抜けてすぐ先に見える北アルプスの景色もキレイなのです。
そして3つ目は、北アルプス展望美術館(池田町立美術館)がある、丘の上の「あづみ野池田クラフトパーク」です。標高は634mと、偶然にも東京スカイツリーの高さと同じ。園内は自転車の乗り入れができませんが、少々園内を歩いてでも見たい美しい景観がそこにあります。池田町が日本の農山漁村の景観・文化を守りつつ、最も美しい村としての自立を目指す「日本でもっとも美しい村」連合に加盟しているのも納得です。
明科駅をスタート&フィニッシュとして3つのビュースポットをつないで走ると、約70kmほどのコースになります。観光地である安曇野市は、ゆっくり過ごせる宿泊施設が多く、温泉旅館やペンション、グループならば森のなかのコテージを1棟借りるなど、スタイルに合わせて選択肢が豊富です。お気に入りのベースを見つけ、そこに合わせてコースを作ると良いでしょう。この夏、信州の高原ライドを安曇野市・池田町で楽しんでみてはいかがでしょうか。
(アクセス)
安曇野市へは、マイカー利用の場合は長野道安曇野ICへ。鉄道を利用する場合は、新宿駅から松本駅まで特急あずさを利用し、松本からは篠ノ井線または大糸線で3時間半〜4時間ほど。東京駅からは長野駅まで北陸(長野)新幹線でおおよそ1時間30分。長野駅からは篠ノ井線で1時間ほどで明科駅・田沢駅に到着します。また、大阪・名古屋方面からも中央西線で松本駅までアクセスは容易です。
---------------------------------------------------------------------------------
いかがでしたか?
関東はもとより、関西からも比較的アクセスの良い長野県。すでにサイクリストにとってメジャースポットですが、おいしい食事にのどかな景色、そして走りやすい環境が整う信州エリアはやはり外せませんね。
【筆者紹介】:
齋藤むつみ
ライター・編集者。自動車業界へ入るも、自転車への愛情から自転車専門誌のライターに転身。10年以上のライド歴を持つ。
関連記事:
この夏は、ここで乗ろう!夏のお勧めライド・スポット 北海道・岩手・能登半島編(2015年8月3日)