12月5日(金)東京都代々木にて、S-WORKS
オーナーの皆さまとクリスマスパーティを開催しました。特別ゲストにお越しいただいた砂田弓弦カメラマンと新城幸也選手のトークショーの様子を、一部ご紹介します。 前編はこちら。
さて、新城選手も会場に到着。砂田カメラマンと、おふたりでの掛け合いが始まります。
スペシャライズド・ジャパン(以下、SJ)― 改めてご紹介です。新城幸也選手です。
新城幸也選手(以下、新城)― こんばんは。砂田さんにはいつもヨーロッパで会うのですが、国内だと変な感じですね。話を聞いてください、喋りますから。
砂田弓弦カメラマン(以下、砂田)―もう幸也の写真出ちゃったんだよ(笑)
SJ― 被写体として砂田さんにもたくさん撮られていますが、撮影の瞬間って記憶の中にはあるのでしょうか?
新城― あったかな~、という感じです。1月の「ツアー・ダウンアンダー」からジャパンカップまで、砂田さんとずっと一緒にまわっていた気がします。ワールドツアーばかりでしたし、砂田さんはいつも来られているんで、すでにジロ・デ・イタリアのことも、ずいぶん前のことに感じますね。ナショナルチャンピオンジャージを着ているのも、今年起こったことじゃないみたい。
SJ― 新城選手には本当に良くしていただいています。シューカバーなどチーム支給のものがあるのに、わざわざスペシャライズドのヨーロッパ支部まで取りにきて、そして使っていただいて。そういえば、スペシャライズドのシューズをはいて、何年目でしたか?
PHOTO:Miwa Iijima |
新城― 4年目ですね。2010年から使わせていただいています。(会場に向かって)皆さんもはいていますか!?
(会場)― もちろんです!
新城― いいですね。いつか、スペシャライズドのシューズを使うライダー限定でサイクリングイベントやりたいですね。
SJ― このオフはどのぐらい日本にいらっしゃるんですか?
新城― 12月下旬までかな。ジャパンカップで帰ってきて、オフに入りましたが、12月20日くらいからタイへトレーニングに行きます。そのあとツアー・ダウンアンダーに参加する予定ですが、今はユーロップ・カーが少しトラブルにあっているのですが、とりあえず、まずはタイに行きます。
SJ― 砂田さんは新城選手を被写体として、駆け出しのころからご覧になっています。今は、どうですか。
砂田― そうですね。幸也は僕を見るといつもにっこり笑っちゃうので、非常に困っています(笑)
というのは、笑った写真は、雑誌や広告に使えないんですね。僕を意識しても、目線は前みたいなリクエストをしているのですが、いつも笑ってしまうんですよね。来年はまっすぐ前を見て、できれば苦しそうな顔をしてほしいですね。
そういえば、わざと苦しい顔をしてくれたことがあって、その写真がジャパンカップのポスターになりました。もう2年前の、2011年のパリ~ツールだったと思います。
あと、もうひとつは本当に必死の形相で引っ張られているところ。
新城― あー、それは確か、ツール・ド・フランスの、ずっと前で引っ張ったステージの写真ですかね。ヨーイドンで逃げて、そのまま上りまでいって、後ろから合流されたやつ。ラファ・マイカ(ティンコフ・サクソ)が優勝しました。
砂田― そうそう。選手って、そういうふうに展開で覚えているんですね。僕は写真って、誰が優勝したかっていうのでよく覚えています。やっぱり選手ってそう、あのステージだったよね、っていうのは展開で捉えているんだよね。
SJ― せっかくなので、質問がございましたらどうぞ!
参加者― 2015年はナショナルチャンピオンジャージを着る予定はありますでしょうか?
新城― 着る予定はあるんですけど、あくまで予定は未定な感じです(笑)
来年のコースが発表されましたけど、コースの難易度的には結構簡単ですね。ですので、どうやってサバイバルにもっていくかっていう作戦を練らなきゃいけないですね。
上り一本、力で!とは、いかない感じが。ちなみに砂田さんは全日本、来られますか?
砂田― 日本に帰ってきているとは思う。でも、全日本には毎年行っているわけじゃないですね。2,3年に1度という感じ。近ければいいんですけど、結構遠いところでやることが多いでしょ。交通の便が良ければね。行きたいとは思いますけど。
ヨーロッパよりも、日本国内の移動のほうが大変ですよね。ヨーロッパは飛行機で行って、そのあと電車か車って感じですけど、日本はずっと車。特に、ちょっと山奥での開催が多いですし。
新城選手、2015年も皆さま期待しています。
新城― そうですね。頑張ります!
SJ― 新城選手、ありがとうございます。さて、引き続き、砂田さんにお話しを伺いましょう。こちらの写真は、世界選手権を制したミハウ・クフィアトコフスキーですね。
PHOTO: SUNADA YUZURU |
砂田― ポーランドの選手が世界選手権で優勝したのは初めてなんですね。優勝候補には名前が挙がっていましたが、実際にポーランド・チームが一丸となって走り、見事に勝ちました。
まだ、ちょっとマイナーですけども、注目されている選手です。海外での評価はものすごく高いですよ。クフィアトコフスキーは、2015年の世界選手権まで、この世界王者ジャージを着て走るわけです。後ろにいるのは前年度世界チャンピオンのルイコスタですね。
そして、クフィアトコフスキーが世界チャンピオンになったときに、スペシャライズド本社から撮影の依頼がありました。ミラノの郊外だったので、車で行って撮影しました。クフィに贈る、特別な自転車をね。
PHOTO: SUNADA YUZURU |
SJ― いつもありがとうございます。砂田さんとスペシャライズドとの出会いが、結構ほっこりしますよ。
砂田― そうですね。あれはちょうど、マリオ・チッポリーニがスペシャライズドの自転車を乗っていたときですね。オランダのあるイベントに、日本の雑誌スタッフとして参加しました。
その時、ホテルが相部屋だと言われました。イベントでは、シングルルームを与えられるのが普通なので、ちょっとがっかりしつつ部屋に入ると、そこにいるその人こそ、スペシャライズド社長のマイク・シンヤードでした。
そのとき、もしかしたらいい方かなと思って、思い切って「僕の写真を見てもらえませんか!?」と、聞いてみました。そうしたら、「気に入った、本社で君のことを検討するよ」と言われました。そうしたら本当にすぐに、契約したいというメールを担当者から受け取りました。
それ以来15年間、ずっと仕事をさせていただいています。
そういえば、そのときマイク・シンヤードが僕に質問しました。「これからスペシャライズドをヨーロッパで売ってくためには、どうしたらいいか?」と。 僕は素直に、それかなり難しいと思います、と答えました。
その時代、やっぱり自転車はイタリアとフランスが強かったんですね。そこでアメリカのブランドが成功するのはハードルが高い、と、かなりはっきりと言いました。そうしたら、すごい嫌な顔して、ムッとしていましたね。ちょっと言い過ぎたかなとも思いましたが、それがやっぱり現実でした。
SJ― マイクは、実直なコミュニケーションを大事にするので、それも良かったんでしょうね。
砂田― 本当に良い人と巡りあったと感じます。相部屋で、コンピューターに入っている写真を見ながら、いいねいいね~みたいに言ってくれて...
2011年、震災のあとにツール・ド・フランスで会いました。そのときに「日本はいまとても大変なことになっているけど、日本人は助け合いの精神があるから、きっとすぐまた復興するよ。僕はそう信じている」と、とても温かい言葉をかけてくれました。本当に立派な社長だと思います。
僕は日本を出て、本場のレースシーンで本場のカメラマンと勝負しています。商売ですから。その舞台でスペシャライズドは、コンタドールたち大チャンピオンに支持されるようになった。アメリカンブランドはどちらかというと、ヨーロッパではマイナーだったのに、今は逆転しています。
そういった面で、マイク・シンヤードを尊敬していますし、僕自身もそうなりたい。もちろん、自転車メーカーとフォトグラファーということで、仕事は違います。けれども、本場で認められたいという共通点があるわけですよね。だから、マイク自身そしてスペシャライズドという会社のことも尊敬している。一緒に仕事ができて本当に嬉しく思っていますよ。
SJ― ありがとうございました!引き続きパーティーをお楽しみください!
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