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2014年6月20日金曜日

幸平選手の全日本ロードレース選手権への挑戦を竹谷さんと考える その2

6月29日(日)の「全日本選手権自転車競技大会ロードレース」(以下、全日本ロード)に出場する山本幸平。MTBクロスカントリー選手として、世界を転戦する幸平選手ですが、どのような準備をしてこのチャレンジに臨むのか? 

前編に引き続き、竹谷賢二さんに話を聞きました。

ボディージオメトリーフィットを受ける山本幸平。見守る竹谷賢二。
フィッターの竹谷さんが見守るなか、フィッティングに取り組む幸平選手。
――今回、幸平選手にボディージオメトリーフィットを施したとき、具体的にどのようなゴール設定を持って、どのようにポジションを変更しましたか



幸平自身、以前にドイツでボディージオメトリーフィットを受け、ロードバイクのポジション調整を行っていたそうですのフィッティング後の身体の変化に合わせた微調整、そしてよりXCOレースにむけたより効率的なトレーニング効果が期待できるロードバイクのポジション設定を望んでいました。また、幸平の身長からは56サイズが一般的には推奨されますが、下りでのバイクのコントロール性、ハンドリングと加速の好みにおいて54サイズを選んで乗っていました。その選択があっているのかどうかの確認も行いました。


前傾姿勢も、MTBのポジションでのペダリングによるパワー発揮に近づけるために調整しています。実現可能な前傾角度よりも、骨盤と股関節に余裕を持てるようにかなり高目になっていましたが、やや上半身が窮屈に感じるとのことでした。そこでフィッティング用ステムを用いて、リーチ、高さを入念に調整しました。ロードレースにおいて必要となる下ハンドルでのスプリントも考慮して、ハンドル形状、ドロップの深さについてもアドバイスをしました。

トップ長の短さによりハンドルまでのリーチが足りなくなる可能性があったのですが、ステムを1cm長くすることで十分対応できました。結果的に体全体の柔軟性と彼の特徴的な姿勢保持の仕方によって、54サイズでもポジションが出せました。MTBライクとはいえ腕脚長いので、数値的には相当なサドル-ハンドル落差があります。また、外反ウエッジをMTBでも使用していましたのが、足回りの違和感があったそうなのでウェッジを取り除くことを提案しました。以後、乗り込んでもらって様子を見てもらっています。



脚周りの可動域を測る竹谷賢二。

――トップライダーも定期的にフィッティングを受けるべきだと竹谷さんはお考えですが、それはなぜかですか?

ウエイトトレーニングスタビリティトレーニングなどにより姿勢の保持の仕方、肩周りの柔軟性が変化すれば、それに応じてハンドルポジションも変化する可能性は常にあります。そういった指向身体的特徴の変化があった場合は、同じポジションに違和感を感じると思います。その際に、フィッティングを受けることで、よりそのレベルや調子に合ったライディングができるようになるでしょう。

幸平は全日本ロードでのより良い結果をモチロン狙っていきますが、ロードレースに参戦しつつもMTBへのトレーニング効果も犠牲にしたくない、と話していました。ハンドル位置はやや高めながらもロードレース向けにした調整をしています

幸平も含めて、目指す乗り方、指向により、同じ身体特徴でも、違うポジションになる場合があります。狙い、筋力、そして身体のコンディションが変われば、ポジションも変わる可能性があるのです。


――フィッティング実施中に竹谷さんが見た幸平選手のバイクポジションや機材へのコダワリ、印象に残った要望や変更点はありましたか

機材へのこだわりというよりも、自分自身へのこだわりがとても強いと感じました。体が感じていることを、よりパフォーマンスに繋げられるようにと、細かなことまでセッティングで煮詰めていく姿勢が印象深いです。

プロ選手として機材を使いこなすという使命感もありますが、彼の場合、自分自身の体を使いこなす、使いこなしやすいための機材選び、というようにあくまで自分主体で機材と向き合っているように感じました。伸びる選手として必要な感覚、感性であると思います。

感覚を研ぎ澄まして体の使い方を追求し、厳しいトレーニングを繰り返すことで高いレベルでそれを持続することで、世界トップレベルのパフォーマンスを発揮する。その幸平スタイルで臨む、全日本ロードでの走り、結果が楽しみです!

ロードのポジション調整を終えた幸平と竹谷さん。
全日本ロードでの活躍が楽しみですね。

――ありがとうございます!幸平選手の活躍が本当に楽しみですね。皆さまも応援よろしくお願いします!

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