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2015年3月25日水曜日

ボディージオメトリーフィットモニター FOR 2015宮古島 土屋さまのケース

この度は、エアロバーのリコールに関しまして、皆さまには多大なご心配とご迷惑をおかけいたしましたことを、深くお詫び申し上げます。今回ご紹介するボディージオメトリーフィットは、リコール内容を把握する前に行いました。発表後、土屋様には代替品がご用意できるまで練習をお控えいただくようお願いしております。大変ご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、重ねてお詫び申し上げます。


当リコールに関する詳細情報はこちらをご覧ください


宮古島フィッティングモニター当選者の土屋正さまが、スペシャライズド・ラウンジにてボディージオメトリーフィットを受けられました。フィットテクニシャンを務めた松田航介さんに、その様子をレポートしていただきました:


こんにちは、松田航介です。

今回は「全日本トライアスロン宮古島大会」に初めて出場される土屋さまにボディージオメトリーフィットを行いました。

ボディージオメトリーフィットは、まずインタビューから始まります。

ここでは、フィットを受ける目的や自転車歴、過去に取り組んだスポーツや怪我などをヒアリングします。ソフト面までしっかりと把握することで、数値やからだの測定ではつかむことができないライダーの欲求まで考慮したフィットを可能とします。

土屋さまは社会人になってからは仕事が忙しく、運動らしい運動はしていなかったそうです。4年前、健康やダイエットへの関心から、衝動的に折りたたみ自転車を購入。その1年後にはロードバイクに乗り換え、どんどん自転車にハマっていくことになります。

トライアスロンを始めたのは、それからさらに1年後。つまりトライアスロン3年生ですが、競技歴にしては大会経験が豊富で、2014年にはアイアンマンジャパンも完走。ロングは宮古島で2回目です。

土屋さまは会社を経営されています。計画を立て、実行し、評価して改善するという、いわゆるPDCAサイクルを回すことでパフォーマンスを向上するところが経営とトライアスロンの共通項であり、魅力とのことでした。

初挑戦となる宮古島の目標は、とりあえず完走。佐渡をはじめとした別大会への出場も見据えているので、バイクをはじめ成績をどんどん良くしてきたいそうです。


仕事柄、練習時間の確保は悩みの種。平日は仕事、休日は家族サービスに時間を追われているそうです。普段はスピニングバイクなどインドアトレーニングが多く、基本的にはランとスイムを中心に取り組み、11時間、週当たり45時間のトレーニング量だとか。バイクの実走は月に12回ほどにとどまります。

バイクの悩みは、ヒザの痛み。話を伺うと、ランニングに起因するものと思われました。また、土屋さまのSHIVからは標準装備のSITEROが外され、他社のサドルがセットされていました。バイク購入時点のサドル位置では、エアロポジションをとると良い感じだけれど、アップライトな姿勢ではSITEROのリア部が気になりサドルを取り替えたそう。

SHIVをチェック >  
SITEROをチェック >  

ただ、交換したサドルの取り付け位置にも、やや難点があるのが見受けられました。

さて、土屋さまの経歴や宮古島での目標を把握したら、次はからだの特徴を把握するアセスメントを行います。


どうやら腸脛靭帯の制約があり、屈伸の際にひざが外側にひっぱられてしまうようです。前述のひざの痛みにも影響があるかもしれません。

ご使用中のシューズはサイズが小さく、足に合っていませんでした。専用の器具で計測すると、かなり小さ目。1サイズ大きめのS-WORKS TRIVENTを試していただくと、かなり好感触のご様子でした。どうやら、ランニングシューズも小さ目のものを着用されているようなので、現在も使用されているNEWTON1サイズ大きめをおすすめしました。

S-WORKS TRIVENT をチェック >  

土屋さまの骨盤をチェックすると、左右は水平。ですが、側弯があるようで右肩下がり。まっすぐサドルに座れていないかもしれません。股関節やハムストリングの可動域に左右差がある点もチェック。また、体幹は決して弱くはありませんが、ロングディスタンスほどの長時間のライドになるとバイクの上で体を支え切れなくなる可能性がありそうでした。

インタビューとアセスメントを経て、実際のフィットに入ります。Retül Müve (リトゥール・ムーヴ)に乗っていただき、アセスメントで測定・把握した土屋さまのからだの特徴に合わせて、バイクのポジションを調整します。


まずはサイズが合っていなかったシューズを新調。S-WORKS TRIVENTをおすすめしました。お持ちいただいたシューズはかなり使い込まれており、タイミングもぴったりでした。

クリートがかなり前方についていたので、新ニュートラルと呼ぶ位置まで後ろに下げました。アセスメントで把握した特徴に合わせて、クリートの開き具合も調整しました。


つぎに、ひざの角度を最適化するため、サドルの位置を調整。エアロポジションをとった際、サドル前部に不快感があったそうなので、SITEROを付け直して調整を開始。フィット後に実走して、やっぱりSITEROが合わないということになれば、再交換していただくことももちろん可能です。

フィット前のポジションでは、ひざが前に出ていたので、ペダルに荷重しやすい位置に脚を下せるようにサドルを後ろにひきました。高さは問題がないので変更なし.... だったのですが、サドル位置とペダルのし易さとの関係を感じていただくため、リトゥール・ムーヴでいろいろな高さや位置を試してみました。

例えばサドルが低すぎると、上死点を超える動きがしにくくなります。逆に、高すぎると脚がつっぱってしまい、ペダリングが左右にぶれて不安定になりますし、故障につながります。

ダイヤルを回すだけで、サドルやハンドルなど各パーツの位置を簡単に変えることができるリトゥールならではの試みですね。


次はアームパッドの位置を確認。全体的に悪くなかったのですが、ポジションが前のめりになっていたので、位置をやや後ろにひきました。前傾になればペダルへ荷重しやすくなり出力が高まります。しかし、過度な前傾時には腸腰筋がつまりがちになり、筋力を最大限に活かすことができません。エクステンションバーも、アームパッドの位置にあわせて調整しました。

ハンドル位置は、サドルとほぼ水平でした。これでは土屋さまの柔軟性を生かしきれないので、ハンドル位置を下げて、効率よくペダリングの力をスピードに変えられるようになりました。


最後にZ面から、つまりライダーの前後から観察します。側弯があり、サドルにしっかりと座れていなかったので、その点が改善されているかを確認しました。ペダリング時に右ひざがたわんでいたので、内半ウェッジを入れて、フットベッドもブルーに交換。足のアーチをサポートし、前足部に見られる傾きを調整することで、ペダリング時に脚がまっすぐと降りるようになりました。これはペダリングのロスを抑えることと、怪我の予防につながります。土屋さまが悩まれていたひざの痛みの改善が期待できます。


これでボディージオメトリーフィットは終了。リトゥールで計測したサイズを、土屋さまのSHIVに反映します。これから3週間ほど乗り込んでいただき、その後のフォローフィットを通じて、さらに微調整を行います。

翌日、さっそくライドをされた土屋さまからご連絡をいただきました。

「短い距離でしたが、明確な違いを感じられました。スピンパイクもフィット後のSHIVに近づけ、またシテロをもう1つ購入してスピンバイクに装着。新しいポジションになれるようにトレーニングを続けます」


土屋さまは3月下旬に行う淡路島トレーニングキャンプに参加されるので、そこでもみっちりとチェック&アクションをかけて、宮古島までに万全の態勢を整えたいと思います。

関連記事:
ボディージオメトリーフィット・モニター for 宮古島2015(15年1月22日)
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