こんにちは、竹谷賢二です。
3月最後の週末、トライアスロンシーズン開幕に向けた春合宿「TRI "S" トレーニングキャンプin淡路島」を開催しました。
参加された皆さまにアドバイスをしつつ、私にとっても宮古島に向けて絶好の機会として、このタイミングでのトレーニング目的を達成するように、要所要所でしっかりと集中して取り組んできました。
まずは、それぞれトライスロンのキャリアをシェアする形で自己紹介していただきキャンプはスタート。アイアンマンからこれから初エントリーの方まで多様なトライアスリートが、西日本はもとより各地から集まりました。ブリーフィングでは合宿の趣旨を説明しつつ、共通認識を持ってトレーニングを進めていきました。
キャンプ1日目は、淡路島1周ライドです。コース全長155Kmとロングディスタンスのバイク練習には格好の距離。信号も少なくエアロバーでも走りやすく、そしてアップダウンも適度にあるので総合力を高めるには申し分ないのがこの、淡路島1周「アワイチ」です。
コース前半の交通が多い区間は、ウォーミングアップとして軽く流します。10%超の坂を含むアップダウン区間では、インナーでしっかりと登坂する場面もありつつつも、逆に海岸線の平地ではエアロポジションで快速走行。この区間はグループライドであまりバラけない程度に一定ペースで気持ち的には抑えて走ってね、ということでしたが、あまりの気持ちの良いロケーションに皆さま結構とばしていましたね(笑
強い風の影響、主に向い風だったので消耗した方もいたようです。しかし、ランチタイムなどの大休止はとらずに、エネルギーと水分補給のためのコンビニストップを入れつつも、止まる時間はなるべく少なく、レースと同じようなジワジワたまってくる疲労を感じていただきます。
後半はフラット基調で交通量の少ない区間。ここでの44kmをノンドラフティングの個人タイムトライアルを行いました。30秒間隔で一人ずつスタートしてもらい、各々が走るディスタンスでのバイクパートのペースを想定してもらいます。前半90kmの走行で溜まりつつある疲労もあり、少し重い体でもバイクフィニッシュまでしっかりと走るレース本番のイメージです。この事前に疲た状態で行う、「予備疲労」を取り入れた練習は普段なかなか実践づらいものです。長時間のトレーニングでは疲れて、「まあいいや」的に後半は流してしまうことも多いかと思います。それを仲間と一緒に取り組むと、追いついたり、追い越されたりと、他の人との頑張りあいが自然と生まれ集中力を維持することができます。ペースを合わせて仲良く走るだけが、グループトレーニングではありません。互いに互いを高めあうのがポイントです!参加者の皆さまは、集中力を引き出し、適切なフォームとスムーズなぺダリングを意識しつつ、しっかりと走りながら補給してエネルギーを保ち、レースペースを維持できたようです。
その後、暗くなって雨が降り出しそうな中でもモチベーションが高く、テンションを上げてブリックランを行いました。30分間を目安として、もちろん無理はなく各々のペースで実施しました。
疲れた体でのラン、つまり実際にレースで起こる状態を事前に体感しておくことが本番で良い結果を出すためには必要です。このように、レースで必要な要素を色々とちりばめてトレーニングを進めていきました。
夕食後は、トライアスリートにオススメのスペシャライズドのプロダクトを解説させていただきながら、トレーニングのレビューを行いました。その後は、お待ちかねの懇親会!「お疲れさま!!」と、ビールで乾杯。今シーズンのレース予定や目標、トレーニング談義などで大いに盛り上がりました。皆さま、一日のトレーニングの疲れを感じさせない、タフさでした(笑
2日目は、夜半からの雨風が朝になっても強いので、予定を変更し座学から開始としました。
椅子に座って、着座姿勢からのライディングフォームを導きだしたり、お尻や足裏での荷重から、サドルとペダルの荷重コントロールを意識したりと、頭と体での理解を促しました。
立位での股関節の動き、ひざ下はぶら下がったままの脱力、瞬間的な脚の上下の切り返し、股関節で脚を空中に吊り下げているという動きと感覚や、ぺダリングの時に体のどこをどのように意識するのかを体感していただきました。頭で分かっても、体で感じられなければ上手くなることはできませんからね。
脚の重さをペダルから抜いたり乗せたり、股関節進展の筋力をペダルに伝える、荷重抜重ぺダリングドリルも解説して、自主練習にいれてもらったり、午後の練習にアップで行ってもらうようにもしました。
雨は徐々に止んできても路面はまだ濡れていたので、プールでのスイムも行いました。状況に応じて機動的にトレーニングを調整できるのもトライスロンの魅力ですね。その後に軽いランチでエネルギー補給を挟んだところで、路面状況も良くなり晴れてきたので、外でのトレーニングを開始。
1.7kmの周回コースを設定して、デュアスロン形式のトレーニングを行いました。
バイク1.7km x 3周回+ラン1.7km x 1周回、この組み合わせを3セットを全員で、ショートのエリート選手と私は4セットとして、概ね1時間のメニューとしました。
ペースは各々のレース想定を狙ってもらい、短時間維持できる速さで無理やり走らないようにします。バイクからランの動きへの切り替え、トランジッションからバイクのペースをつくる練習として、実戦に必要な神経系的な練習ということが主な狙いだからです。さらに、普段あまり行わないであろうトランジッションを速く行う練習としても有効です。レースっぽい模擬練習はみんなでやるからより実戦的になり、バースタンド付きの簡易トランジッションエリアを用意できるのは、こういったサポートのあるイベントならではのメリットです。
また、スペシャライズドが用意した試乗車に乗って、VENGEのエアロ効果やSHIVとロードバイクとの性能差を、練習中にバイクを乗り換えることで実感してもらいました。また、エアロホイール「ROVAL CLX60」の走りの良さ、そしてS-WORKS EVADEの被り心地と空気の抜けの良さを、折しも吹き荒れる春の嵐、願ってもいない強風の中で実戦的にとても分かりやすく体感してもらえました。宮古島など島でのトライスロンは概ねどこも風が強いので、向かい風、横風において、それらの空力特性は間違いなくメリットとなります。
今回のように、レースを間近に控えたタイミングでのレースシミュレーションとして本番を再現した実戦形式での練習は、経験の浅い方にとって本番で慌てず実力を発揮するための大事な練習になります。そして、高いパフォーマンスを狙うアスリートの場合は、現状のトレーニングでの仕上がり、レース本番でのペースを検討することも可能です。
私のトレーニング結果はどうだったかというと、一日目のアワイチでは、前半のアップダウンと信号や車通りのない海岸線平坦区間は290w平均、44kmTTでは平均パワーが255w、全体165kmを通しても243wと、レースに向けてかなり良い状態に仕上がってきています。
ランも、その後のブリックでは自然とキロ4'15"とマラソンレースペースまで上がり、デュアスロン練習でも、1.7km x 4本をビルドアップ的に3’58”平均まで上げられたので、冬の間のラントレーニングが効果的に行えた事が確認できました。
本番で想定した、バイク4時間、ラン3時間25分は持ちペース的には十分実現可能です。
あとは、ここから本番までの20日間、スピードを上げて、このペースに余裕を持たせるようにしつつ、中長期的な疲れを本番までに残さないよう体調を十分考慮して、最終調整に持っていきます!
いよいよレースが、楽しみになってきました!!
いよいよレースが、楽しみになってきました!!
竹谷賢二
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