2月3日月曜日、TKこと竹谷賢二がスペシャライズド・ジャパン本社を訪れました。4月20日に開催される「第30回全日本トライアスロン宮古島大会」にむけて、ボディージオメトリーフィットを受けるためです。フィット・テクニシャンを務めたのは、ボディージオメトリーフィット国内責任者の渡辺孝二。
自身が経験豊かなフィット・テクニシャンであり、今まで多くのライダーにバイクフィットを施してきたTK。アイアンマン・コナをはじめ、2013年までに参戦したトライアスロン大会には自ら設定したライディングポジションで参加していました。
では、なぜ今回のポジション調整を他人に委ねたのか?
宮古島に向けて調整を重ねるTKと、フィッティングを担当した渡辺に話を聞きました。
―― 竹谷さんもボディージオメトリーフィット・テクニシャンとして活躍されています。その知識と経験をふまえて、2013年のトライアスロン宮古島大会、アイアンマン・ケアンズやコナも、ご自身で徹底的にポジション微調整をしていました。今回はなぜ、渡辺のボディージオメトリーフィットを受けたのでしょうか?
自身が経験豊かなフィット・テクニシャンであり、今まで多くのライダーにバイクフィットを施してきたTK。アイアンマン・コナをはじめ、2013年までに参戦したトライアスロン大会には自ら設定したライディングポジションで参加していました。
では、なぜ今回のポジション調整を他人に委ねたのか?
宮古島に向けて調整を重ねるTKと、フィッティングを担当した渡辺に話を聞きました。
―― 竹谷さんもボディージオメトリーフィット・テクニシャンとして活躍されています。その知識と経験をふまえて、2013年のトライアスロン宮古島大会、アイアンマン・ケアンズやコナも、ご自身で徹底的にポジション微調整をしていました。今回はなぜ、渡辺のボディージオメトリーフィットを受けたのでしょうか?
竹谷賢二(以下、TK): 何かを改善するとき、客観的な視点から問題点を分析する必要があります。バイクのポジション調整も同じです。でも、今まで自分のバイクを調整するとき、ビデオに自分を撮って出来る限りの客観視はしていましたが、自分だけで悩んでいるのならセカンドオピニオンとしても、プロに聞いたほうが良いと思えたのです。
例えば、13年の宮古島まではローミンを使っており、フィーリングもばっちりでした。その後、シテロに変えてから、着座で接する股間の圧力がなく前傾が深く取れるようになったのですが、なんとなく調整しきれていない感じがありました。自身のフィジカルも良いところに持っていけていたのですが、いまいちしっくりこない... 最後のピースが欠けている感じでした。
実は、いままで設定していたシテロでのエアロバーポジションは、ローミンでのポジションから微調整をしていました。そのため、シテロのもつ可能性、優位性を100%活かしきれていませんでした。でも今回、渡辺さんにボディージオメトリーフィットをしてもらったら、もっと楽に、体をもっと前に伸ばせるようになりました。ローミンのエアロバーポジションから微調整に留めた結果、窮屈で無駄に力んでしまう姿勢に私自身が留まっていたのです。
また、今までは空気抵抗から逃れるため可能な限り頭を下げようとしていました。今回、イヴェードを使用することを前提にフィッティングを受けたところ、無理して頭を下げる必要はない、というアドバイスを頂きました。イヴェードの空力性能は被るだけで、空気の流れを整えて流す、新幹線や飛行機のノーズの役割を果たしてくれるから、位置の多少の差は無視しても良いレベルなのだと、説明を受けたからです。空力特性をこれ以上追及したフィッティングをするのであれば、風洞実験施設でするしかありません。空気の流れは目に見えませんから。
こういった解決案は、自分だけで悩んでいてもなかなかでてこないものです。
ポジションが決まった、決まらないというフィーリングは様々な外的要因に影響されます。パーツ位置を動かしたことで本当に違いが生まれたのか、それとも「変更点を知っていること」によるプラシーボなのかの判断はとても難しい。自分の経験や感覚だけに頼るのではなく、客観的な視点をふまえてポジションを調整することで、主観だけに頼らない抜本的な改善が可能です。
―― ご自身がフィッティングを受ける際「こんなポジションになるな」というヴィジョンがあったと思います。その通りになりましたか?
TK: 今回は先入観は持たずに変更を受け入れるつもりで依頼をしましたので、大きな変化があったら、それはそれで嬉しいな、と。
実際に首や、体をまるめる緊張から解放されて楽になりました。それに加えて頭を無理に下げないので目線も上がり、より楽に前が見れるようになりました。自分が考えていたものよりも、体感的にはとてもリラックスしたものになっています。しかし写真をみると、背中の緊張がとれたことで逆に姿勢は低くなり、結果的にはより攻撃的な姿勢にも見えます。
渡辺孝二(以下、KW): アグレッシブなポジションにすれば速くなる、という考えでポジションを出す方もいますが、ボディージオメトリーフィットはそれとは異なるアプローチをとります。疲労を達成感と感じる人も多いですが、それは場合によっては、無理・無駄ということになりかねません。
―― レースでの目標タイムなどあると思いますが、そういうことはフィッティングに加味されないのでしょうか?
KW: ボディージオメトリーフィットをする際、バイクに乗るうえでの目標は伺います。ただし、そういったものがフィッティングにおいて最も重要な要素にはなりません。あくまでも、乗り手の身体的特徴に合わせてのポジション調整になります。目標タイムに合わせて無理・無駄な設定をし、怪我や事故に繋がってしまったら元も子もないというのはご理解いただけると思います。
竹谷さんのパフォーマンスは間違いなく上がっています。その出力を阻害しないポジションであれば、タイムは確実に良くなります。竹谷さんのからだに最適化した、出力を阻害しないポジションを見つけることがボディージオメトリーフィットのゴールです。
TK: もちろん、楽をしたいわけではありません。今まで、頑張って出していたワット数を、もっと楽に出せるようにするのがフィッティングを受ける目的です。250ワットを無理に出していたら、300ワットを4時間5時間と継続して出せるはずがないですよね。今のスピードをより少ない力で出せれば、より長時間そのスピードを維持できます。
今回ボディージオメトリーフィットを通じて作りだしたポジションでも、競技中、体を支え続けなければならないという負担はもちろんあります。適切なフォームを維持するという、スポーツにおける基本的な事実は変わりません。
でも、フィッティングを受けて、より安定したペダリングができる。無理な姿勢を保つために浪費していたエネルギーをペダリングに活用することで、今までより楽にスピードが維持できる。同時にそれは、いままでと同じ体力負担で、もっと速く走ることができるということ。結果、タイムがアグレッシブなものになるのです。
KW: そういえば、今回ポジションを調整しましたが、今後の狙いというのは?
TK: まず、「楽に、速く走る」こと。頭の位置を必要以上に下げなくなったことで、首や肩まわりの局所的な負担を抑えています。また、サドルとエアロバー位置の最適化により、もっと楽にエアロポジションをとれるようになりました。このポジションで、2014年トライアスロン大会宮古島でのバイクラグ日本人過去最速タイムを目指します。
―― ありがとうございました。まず狙うのは、4月の宮古島ですね!ご活躍を期待しております。
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