チームクムサンジンセンアジアの福島 晋一選手より
ツール・ド・コリア(4/22~5/2)第2ステージのレースレポートが届きました!
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昨日の晩飯はウェルカムパーティーを兼ねていた。
飛行機で移動した後、夜8時からのパーティーも始まらず。
飯は「おあずけ」状態。
選手たちは空腹のあまり反乱をおこしそうになていたが、
お偉いさんの訓示を聞いてからではないと、飯は開放しないと言う。
その時に一人の選手が立ちあがった。
名前はユーギホン、「選手からの『ユーグイッホン』コールに後押しされながら、
飯に彼はまっすぐ飯にアタックしていったが、やはり係員に止められてしまった。
【第2ステージ】
ユーギホン、サプライズのステージ優勝!
今日のコースは、比較的短く130km。昨日の予報はあまり良くなかったが、朝は快晴。
ラッキーだ。スタート前から気分がいい。
スタート直後のアタックは、なかなか決まらなかった。
広い高速道路は見通しがよく、後ろの選手がすぐに前に出てこれる状況では、なかなか逃げは決まらない。
それが分かっていても、行ってしまう自分。
4kmパーシュ―トのアジア記録を持つ、チャンソンジェと2人でぶっ飛ばして逃げたが、集団は行かせてくれない。
捕まった直後に高速を降りて、6人ほどの逃げが決まった。
クムサンからは誰も乗っていない。
リーダーの香港チームは、逃げに乗せてきていて、さすがワンカンポがまとめているチームだけのことはある。
ここ数年、香港の選手は急激に強くなってきた。
2年前ほどまでは、ワンカンポだけで後の選手がついてきていないようだったが、
最近では、彼が後輩の陰に入ってきている。
彼の自分を殺したアシストに徹した走りは、プロフェッショナルだと思う。
自分も見習わなくてはいけないと思う。
さて、その逃げもつかまり、自分が今度は補給地点から7人で逃げた。
西谷や、昨年の総合優勝者ロジャースと香港チームが一人乗ったこの逃げは、
一気に差を開き2分差まで行ったが、乗り遅れたソウルシティーチームの猛追にあって残り20kmで捕まってしまった。
いい勢いだったのだが、回る人間が徐々に減って、最後は日本人だけになって続かなかった。
残り20kmで集団が一つになったら、アヌアのスプリントで行くと決めていたので、
そこで、アヌアのスプリントに絞ることにして、残り10kmでチームメイトと共に前に出た。
2人が逃げていて、ジェリーベリーチームがちょうどコントロールを始めたところだった。
一緒に回ろうとローテーションに入ったら、彼らはやめてしまって、クムサンの選手3人のみで引くことになった。
残り10kmではちと遠い。
もう少しメンバーを増やそうと、後ろにいるメンバーに入るように言ったが、彼は拒否。
そうこうしているうちに、先頭を引いていたユーギホンとの距離が開いてしまった。
そして、先頭を引くだろうジェリーベリーがアタック。
ユーギホンがそれについていったことを確認して、自分はアヌアを探しに後ろに下がった。
残り2kmを切っても集団をまとめるチームは現れず、前との差がつまらないので、アヌアを連れて先頭を追った。
宙ぶらりんの中断は吸収したが、トップは逃げ切られてアヌアもスプリントを出来なかった。
「スプリントにまとめられなくて悪かった。ただ、ユーギホンが前に行っていたから上位に入ったと思う」
というと、アヌアはユーギホンは帰ってきたという。
マジでそうだったかと思い、ユーギホンを見つけると彼が指を一本立てる。
「I WON!」
思わず彼を抱きしめてしまった。
残り2kmでアタックして、独走で逃げ切ったようだ。
彼はすごいパワーライダーだ。
アヌアに続いて、ユーギホンがUCIレースで勝ち星を挙げた。
スタッフとしてもいいが、やはり選手として勝利を分かち合うのは、格別のものだ。
彼は総合2位にジャンプアップ。
チームは団体総合2位、個人総合2位といいポジションにつけている。
明日のステージは、長丁場230km。今日より100km長い。
積極的に攻めていきたいと思う。
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