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2015年6月30日火曜日

浴びすぎ注意!サイクリストで美容のエキスパートが教える日焼けについて。

スペシャライズド・ジャパン本社のあるここ神奈川県も梅雨まっただ中。紫陽花が咲く彩良い季節を抜ければ、夏はすぐそこです。晴れわたる青空の下でのサイクリングは最高ですが、暑さと、そして日焼けにはぜひ気をつけたいもの。


そこで今回は「日焼け」について、専門家にお話しを伺いました。解説していただくのは情熱的なサイクリストであり、形成外科医師である島中弘輔(しまなか こうすけ)先生です。

たかが日焼けと、甘く見てはいけません。重度の日焼けは強い痛みを伴い、皮膚ガンの発症に影響することもあるそうです。また、シミの原因にもなります。楽しくライドするために、しっかりした日焼け対策を学んで、夏本番に備えましょう!女性はもちろん、メンズも必見です。

スペシャライズド・ジャパン(以下、SJ)― まずは自己紹介をお願いします。


島中弘輔(以下、島中)― わたしは形成外科医師として、海老名総合病院にて形成外科部長、そして海老名メディカルサポートセンター美容医療センター センター長を務めています。一般形成外科では、外傷(熱傷、手外科、顔面骨骨折など)、体表の良性・悪性腫瘍、皮膚潰瘍、足壊疽、ケロイド、先天奇形、そしてレーザー治療から若返り手術など、いわゆる美容医療全般を手がけています。日本形成外科学会専門医、日本抗加齢医会専門医でもあります。


自転車歴は15年ほど。ロードもMTBも乗ります。爽快に有酸素運動できるのが、自転車の魅力だと思います。また、自転車通勤をすれば、あえて運動時間を作らなくても体力を維持でき、健康を保てるのは自転車ならではでしょう。

SJ― 今回、「日焼け」がテーマですが、そもそも「日焼け」とはどのような症状でしょうか?



島中― 日焼けとは、紫外線による皮膚の損傷です。


海水浴などで経験があると思いますが、重度の日焼けは水ぶくれを形成します。これは皮膚の土台の真皮が損傷された状態(浅達性Ⅱ度熱傷)で、治癒するまで約2週間を要します。とても痛いです。長期の経過を経て皮膚がんに至ることもあります。


当センターには、日焼けによりできてしまったシミの患者さんが来院されます。ほとんどが顔、そして手の甲、前腕やふくらはぎが比較的多く、背中も時々あります。

いわゆるシミ(脂漏性角化症、あるいは老人性色素斑)は、角化細胞の遺伝子の変異によって発症します。



ちなみに、くすみも、この角化細胞のターンオーバーの遅延、あるいは、メラニン色素の分解活性が低下し、メラニンの光を吸収する性状が長く存在するためと考えられています。

シワも光老化(慢性的な紫外線による損傷)でおこります。UVBにより生じる皮膚表面の細胞(角化細胞と言います)の活性酸素が炎症性サイトカインという物質を一時的に高め、(真皮線維芽細胞のMMPs活性が高まり)、結合織のコラーゲンや弾性繊維が切断され減少するためと考えられています。UVAも直接真皮に達し、シワを誘発すると考えられています。

SJ― 日焼けはネガティブなイメージしかないのですが、良い効果はあるのでしょうか?

島中― そうですね。朝の覚醒時などには良いかもしれません!入眠を促進したり、睡眠を維持する脳内ホルモン・メラトニンは、光を浴びることで抑えられます。また、ビタミンDの活性化にも必須ですが、この場合は木陰に10分程度という短時間で十分です。

SJ― 日焼けしてしまった場合の対処法は?

島中―まずは冷却。前述の通り、水泡ができてしまうほどであれば、抗炎症作用やステロイド外用剤の塗布が望ましいので、皮膚科受診をオススメします。

トマト(リコピン)など抗酸化作用を有するファイトケミカルを積極的に食す。あるいは、市販されているシダ植物エキスの入ったサプリも一助になると思われます。炎症が治まったら、ハイドロキノン(メラニンの生成を抑制します)など美白剤入りの化粧品を塗布しましょう。

SJ― なるほど。まずはしっかりと予防することが大事ですが、おすすめの予防法というのは?

島中― 夏の自転車は当然汗をたくさんかきますので、落ちにくいウォータープルーフタイプで、SPFPAの高いものを使用しましょう。


また、ライドしていると日焼け止めのぬり直しが難しいと思います。本来であれば、汗をかいたら日焼け止めをいったんきれいにふき取って、塗りなおすのが望ましいですが、それは難しいことが多いでしょう。長時間ライドの場合は上からの重ね塗りもやむを得ないかもしれません。

ウォータープルーフであれば汗で落ちにくくなりますが、洗顔時にはしっかりとしたクレンジングが必要です。女性であれば、SPF値の高いミネラルファンデーションなどを重ね塗りするのも良いかもしれません。ムラにならないように汗をしっかり拭き取ってから、塗るのですが、こすらないように優しくしてください!

日焼け止めには紫外線吸収剤もしくは紫外線散乱剤、もしくはその両方が使われます。

紫外線吸収剤は紫外線を吸収する成分として化学合成されたもので、高SPF値の製品に使われることが多く、製品を使用した際に白くなりにくく、のびも良いという利点はありますが、人によっては刺激を感じたりかぶれたりする場合があります。

紫外線散乱剤は主に粉体でできていて、紫外線を反射し散乱することで紫外線が皮膚に届くのを防ぎます。肌への刺激が少なく敏感肌でも使いやすいのですが、塗ったところが白くなりやすい、高SPF値の製品が少ないなどの欠点もあります。

ですが、一昔前のものに比較するといずれの欠点も減らした製品も販売されるようになりました。合うものを探してみると良いでしょう

また、UVカットのサイクルウェアやキャップをしっかりと着用しましょう。サイクルキャップはツバ付のものがオススメです。

SJ― ちなみに先生はどんな予防法を実施していますか?

島中― 熱中症対策もありますが、夏場の日中は乗りません!乗るときは、もちろん日焼け止めを塗布していますが、早朝や夜ライドを心がけているのが本音です。(笑)



普段の生活では紫外線吸収剤不使用の日焼け止めを使用し、受けてしまった紫外線のダメージに対しては抗酸化作用のあるアスタキサンチンのサプリメントを摂取するようにしています。長時間のライドやイベントの際は、前述の飲む日焼け止めサプリを内服し、日焼け止めはウォータープルーフでSPF値の高いものを使用するようにしています。

やはり、なによりも一番の対策は、夏場の日中のライドをできるだけ避けることでしょうか・・・


SJ ― そうですね。真夏は朝、または夕方のライドを心がけたいと思います。先生、ありがとうございました

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