1974年、あなたは何をしていましたか?
マイク・シンヤードはスペシャライズドを創業しました。もしかするとあなたは生まれていなかったかも知れませんね。
Allez(アレー)やStumpjumper(スタンプジャンパー)の登場以前、カーボンフレームもビンディングペダルもなかった時代… そんな'70年代、自転車用品の素材は天然レザーが主流でした。シューズ、グローブ、カスク(簡易型のヘルメット)、ストラップ… 機能では最新の素材にかないませんが、使えば使うほどライダーに馴染み、風合いが出る点はレザーならではの特性でした。
最近は’70年代だけでなく、クロモリフレームの復活や、’80年代プロダクトの復刻版が人気となるなど、クラシックなものがスポットライトを浴びています。単なる懐古趣味であれば、デッドストックや中古部品を探せば事足りるでしょう。
スペシャライズドの真骨頂は「最新技術を生かしてパフォーマンスの向上をもたらす製品」を求めるライダーのニーズに焦点を絞る、という創業理念にあります。凡百の製品にはない、いわば“ライダー至上主義”が私たちのモノづくりの通奏低音なのです。
モチーフとなったオリジナルのロードシューズ |
前置きが(とても)長くなりましたが、今回ご紹介する「74」シリーズは、スペシャライズドの創業年を掲げつつ、デザインの源泉は’80年代にリリースしたオリジナルのシューズです。クラシックな見た目でありながら、ライダーのパフォーマンスをスポイルしないよう最新の技術を投入して、ロード用シューズ、グローブへとラインナップを拡大しました。
74ロードシューズは、S-Worksロードシューズのソールを土台にしてカンガルレザーのアッパーを組みあわせています。ベースとなるカーボン製ソールは3ボルトのクリートが取り付け可能で市場に出回るほとんどのペダルに対応。もちろん、ボディージオメトリーに基づく1.5mmの傾斜で、ひざから足のアライメントを補正します。また、当時はひも締めだった固定方法は、Boaダイアルを採用して意匠と機能の融合を実現しています。
カラ―はブラックとホワイトがあります |
ソールの硬度指数は12.0 旧型のS-Worksと同じ |
ゴールドのステッチ、プリントがさりげないアクセント |
ヒールはスエードを採用 |
ロゴをプリントしたベルベット風のケアバッグが付属 生成りのパッケージも保存しておきたいところ |
74グローブは、ハンドルを握る基本的な機能としてボディージオメトリーGelのパッドを採用、アッパーに英国ピッタード社製レザーを使用しています。このレザーはなめしの段階で撥水材料を革の繊維に染み込ませるという製法を採用しており、革の質感を損なわずに機能を向上させたもの。さらに、指のマチ部分にはライクラを使用して、レザーで賄いきれない伸縮性をもたせてフィット感を高めました。また、親指部分には汗を拭きやすいマイクロワイプ素材を使っています。
ボディージオメトリーのパッドを装備 |
アッパーはピッタード社のレザーを採用 パンチングで通気性を確保 |
Stumpy II(スタンピー・ツー)は、クリート付きのロードシューズを履いたまま表彰台に登るプロ選手のために開発されました。ロードシューズのアッパーを使いつつ、スニーカーとしての機能をもたせ、日常的な使用やレース会場での移動といった用途を目的としています。履くだけで自転車乗りとしての存在を主張できる他に類を見ないシューズです。
カラ―はブラックのみ |
アウターソールの傾斜はなし 歩きやすさを優先しています |
グリップのよいソール |
フットベッドはボディージオメトリー アーチは+(低め)が標準 |
時代に左右されないスタイルと最新の素材、伝統と先端技術の融合。74シリーズならクラシックな見た目と機能性の両方を求める欲張りなライダーの要求に応えることができます。そして、気分を変えたい時のワードローブとして、クラシックなバイクに乗る際のセットアップとして長くつきあえる製品です。
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