チューブなんてどれも同じ、と考えがちですがスペシャライズドはタイヤからスタートしたパーツメーカーでもあるので、タイヤの性能を引き出すチューブの性能にもこだわります。チューブなしにはタイヤは成り立たないわけですから、単純に考えてもその重要性がご理解いただけるかと思います。
まずはバルブが違います。一般的な仏式(プレスタ)チューブのバルブは、リムに固定するためのナット用に先端ぎりぎりまでネジ山が切ってあります。ポンプ口金の付け外しの際に内部のゴムパッキンが抵抗となり、インナーコアに負担をかけてしまい、最悪の場合は折れてしまうこともあります。
ターボ・チューブは、ポンプ口金を挿入するアッパーバルブ上部をネジ山のないなめらかな表面にしました。ナット固定のために必要なネジ山はバルブの根元だけで、上部は不要なのです。さらに、バルブの基部とチューブが接合するベース部分を大型化することによって、バルブ本体を保護。
スペシャライズドは製造にひと手間かけて、バルブとポンプパッキンの保護を実現したのです。
かんたんな理屈だけど、やるかやらないかはとても重要。すき間産業的なアプローチは、どことなく日本の製薬会社さんに通じる? ところがあるかもしれません。余談はさておき。
また、チューブ表面にタルクパウダーをまぶしてあるので、保管、装着時の溶着を防ぎます。このためチューブは ファスナーつきのビニール袋に封入され、パウダーを湿気から守ります。さらに、タルクには重要な役割が。
走行中はチューブとタイヤの間に摩擦が生じますが、タルクが両者の間で滑ることによって摩擦を減らすことができるのです。そして、チューブの厚みがスペシャライズドの標準的チューブ「STANDARD」よりも0.2mm薄くなったことによって、走行時の転がり抵抗を13%削減することに成功したのです。
実際に使うと、もう他のチューブが使えなくなります。完成車を購入した際にもチューブは初めからターボに変更するほどです。空気圧のチェックは乗るたびに行いますので、ポンプパッキンを傷めない設計は、ポンプを使う手間を軽減して毎度の加圧を習慣化、ひいてはパンク防止につながるというわけです。
確かに標準的なチューブよりも値段は張るのですが、走行時のパフォーマンスアップにつながりますし、保険だと考えてぜひ一度お試しください。
箱から出すとビニール封入された姿で登場 |
キモはネジ山のないアッパーバルブ |
ネジ山が必要なのはバルブの下部だけです |
ポンプの口金を入れてみましょう |
外す時はバルブを時計の12時方向にもってきて、 口金を下にして一気に引き抜くのがコツ |
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