スペシャライズドのシューズとオプティクスを使い、
国内外のレースで活躍中の鈴木謙一選手(アイサンレーシング所属)から、
先週開催されたツール・ド・北海道のレースレポートが届きました!
BG FITの常連でもあるケンケンが、選手ならではの目線でレースの裏側を紹介します!!
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【ツール・ド・北海道(UCI AsiaTour 2.2) レースレポート】
プロローグは競輪場のなかを2周する約800メートル。
スピードも重要だが競輪場のバンクの下の平らな所を走るということでコーナリングテクニックも重要なコースです。
この日はチームメイトの西谷選手が勝ち、自分も20位台でのタイムで苦手なタイムトライアルとしては良いスタートでした。
第1ステージは218キロ。
スタートしてからすぐ北海道特有の緩い山がありKOMの設定もありこの日は1つのKOMがあるだけなので1つとればジャージが着れることもあり
激しいアタックが予想されるためスタート直後から前方で警戒しながら走る。
スタート直後あっさりと数名の選手が抜けだし結局3名の選手のアタックが決まる。
前日のミーティングではリーダーチームではあるけどリーダージャージを着る選手が今回のレースのエースではないため集団をコントロールはしない予定でしたが、
逃がしては危険な選手があとからアタックしていったためすぐにコントロールを開始。
最初のKOMを過ぎてからはずっと海岸線だったため激しい横風と向かい風を受けながらのレースとなるため
先頭の3名も海岸線に出たら無理せず走ると思いきや、最大で12分ものタイム差をつけられてしまう。
最初はアイサンのアシスト3名だけでコントロールしてたが前に送り込んでないチームも協力してくれようやく先頭をとらえた。
そこからアタックがまた繰り返され最後は集団でのゴールスプリントとなりました。
この日は約160キロにわたり激しい向かい風のなか集団を引き続けたためかなり体力を消耗してしまいましたがエースの選手をタイム差なしでゴールさせることができたので一安心でしたが、
次の日のステージがアップダウンの続くコースで仕事ができるか心配でした。
第2ステージは186キロ。
やや大きな山を越えるが、北海道特有の緩い山岳。
そこを超えるとゴールまでほぼアップダウンを繰り返していくステージで今回のステージレースの勝負所となるステージでした。
自分の調子は前日のコントロールによってかなり疲労が残っている状態なのでメイン集団でのゴールは考えずにできる所までエースのサポートに徹する走りをしました。
予想通り序盤からアタックが繰り返され逃げグループができたり潰されたりを繰り返して行きましたが、
自分も行かせてはいけない逃げなどを潰しながら最初のKOMをクリアしました。
その日2回目のKOMがすぐにありそこで数十名の選手が集団を抜け出していく。
そのあと追走集団ができ先頭は30名ほど。
自分は追走集団に乗り遅れそのまま後ろのグループでゴール。
初日の疲れが激しく残るが実質最終日の第3ステージのために少しは回復させられるステージでした。
第3ステージは169キロ。
この日もまたスタートしてすぐ山岳が現れる。
このステージレース最大の山岳(オロフレ峠)だが角度があまりなく距離が長い山岳です。
この日はチームのエースが総合4位で5位の選手とはコンマ差。
まずは逆転されないようにホットスポットを狙っていくこと。
この日もスタート直後から激しいアタックが始まる。
この日も疲労のためかなり身体が重く山に入る前から身体が重たかった。
登りに入ってすぐにペースが上がり自分はちぎれてしまうがペースで登る。
なんとか頂上をチームカーの隊列から少し遅れたくらいでクリアできたので雨のダウンヒルでしたがリスクをしょって下り、なんとか先頭集団に復帰。
かなり気温が下がっていたのでウインドブレーカーを着たが、そのとき集団からは数名の選手が抜け出していて状況的にアイサンに良くないということなので
一度着たウインドブレーカーを脱いで集団の先頭を引く。
4分ほどあったが前の集団もあまり逃げたいメンバーでもなかったらしく順調にタイム差をなくすことができ先頭をとらえることができた。
そこからはまた激しいアタックが繰り返され総合成績と関係のないメンバーが逃げていく。
リーダーチームのブリジストンアンカーがコントロールするが最後の峠を前に3分近い差なので自分もコントロールに加わることに。
最後の峠でアタックがかかりそこからは後方集団でゴール。
この日も何回か集団をコントロールすることがあり集団を引くことが多いステージでした。
最終日はクリテリウム。
63キロと距離も短くボーナスポイント争いになり足がないなりにエースの選手をサポートしながら走り、無事にゴールしました。
チームとしてはエースの選手を総合4位でゴールさせることができましたが、まだまだ課題の残るレースとなりました。
今回第1ステージからリーダーチームとなりたくさんの仕事があり、その場その場での個人での判断が問われる場面も多々ありましたが、
アジアツアーでの経験を生かすことができ冷静に走ることができました。
集団をコントロールする場面でかなり長い時間集団を引き続けるなど、あまりこれまでしたことがなかった走りを求められる場面が多かったのですが、
良いポジションに身体もできてきたせいか平坦でもペースを維持する走りも苦にならない感じになってきました。
今回は第1ステージでかなり足を使ってしまいかなり厳しいステージレースになってしまいましたが、
これからは足を使ったステージがあっても次の日からちゃんと仕事ができるようになりたいと思います。
もちろん自分にチャンスが回ってきたら、ものにできるようにも。
これからの予定は9月27日から10月1日まで愛知でトレーニングキャンプを行い
10月8日から20日までツアーオブハイナン(UCI AsiaTour 2.HC)のレースを走り、
ジャパンカップとツールド沖縄まで走ります。
ハイナンのレースはランカゥイと同じHCのレースでかなりレベルの高いレースですが少しでも良い結果が出せるように頑張ります。
アイサンレーシング 鈴木謙一。
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