レース会場は、快走を遂げたひとりの選手の話でもちきりでした。彼と、彼のバイクはセオリーを無視したスピードと迫力で駆け抜け、期待を凌駕し、今シーズンにおいてもっとも難易度の高いコースで、後続に3.5秒差もつけて優勝しました。異次元の走りでした。
DHの実況でお馴染みロブ・ワーナーは、世界最高峰のライダーたちが、目視でのライン選択が不可能なほど一面を覆った赤い砂埃の中を、てこずりながら走るのを見届けたら、喉がすっかりカラカラになっていました。ウィンダムはニューヨーク州にあるスキーリゾートで、ここでは2010年8月以来、毎年ワールドカップが開催されています。
「今まで見た中で、一、二を争う走りだと言えるよ」と、アーロン・グウィンがフィニッシュ後に、彼を触ろうと詰め寄る観衆とハイファイブをしている間、ロブはそう締めくくりました。


