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2014年12月26日金曜日

彼女がチャリティーライドを走るわけ 前編

[photo]ロードバイクで社会を助けるチャリティーライドに参加する。

コース全長1,000km、参加者数7,000人、60時間という制限時間まで、なにもかもが大きなスケール。カナダのサグネ・ラック・サン・ジャンからモントリオールまでを3日がかりで走破する、毎年恒例のチャリティーライドが「ル・グラン・デフィ(Le Grand Défi)」です。

「大いなる挑戦」というフランス語を冠するこのチャリティーライドは、1999年にカナダのケベック州の一地域であるサグネ・ラック・サン・ジャンの周辺で、ある人物が単独で24時間に約640kmをライドしたのが始まりです。トライアスリートでもあるピエール・ラヴォワは、乳酸アシドーシスという稀な遺伝性疾患で4歳のローリーと1歳8か月のラファエルという2人の幼い子供を失ったやり場のない悲しみと折り合いをつけるため、ひとりでペダルをこいだのでした。乳酸アシドーシスは、からだが乳酸を代謝しきれず血中に蓄積する病気です。ラヴォワはライドに出ることで、命にかかわるこの病気について人々知ってもらうことに成功しました。そこで彼は、困難に満ちたこのチャレンジをさらに2000年、2002年、そして2005年と3回行いました。

2008年にラヴォワはこのライドを、多くの人が参加できるようオープンなイベントにしました。誰でも一緒になって、病気について人々を啓発したり医学的研究の支援のための基金を集めたりする活動に参加できるようにしたのです。イベントはたちまち大きくなり、参加ライダーは2009年の465人から2015年の7,000人にまで増えました。イベントの一部である「ラ・ブクル(La Boucle)」では、どんなレベルのライダーでも、ルートの一部分である約135kmを走ることができます。全行程のライドに挑んで自らの肉体的、精神的な力を試す熱心なサイクリストは1,000人ほど。

モントリオール生まれのステファニー・ネロンもそのひとりです。


23歳のステファニーは、このライドに挑戦する唯一の女性ではありません。それどころか、参加者の約40パーセントは女性です。彼女がユニークなのは、彼女が数少ない女性だけのチームを率いて来年6月のル・グラン・デフィに参加する点です。

ステファニーは、カナダのマギル大学に通うかたわら、家族が所有するバイクショップ「シクル・ネロン」の経営に携わっています。彼女はなぜこんなにも過酷なチャレンジをするのでしょう? どうして、2度目の参加をする決意をしたのでしょう? 




YOUR RIDE. YOUR RULES編集部(YRYR)―サイクリングを始めたきっかけと、チャリティーバイクライドに参加したいきさつを教えて。

ステファニー・ネロン(SN)―父とわたしがサイクリングを始めたのはずいぶん前のことで、楽しむためだったわ。今から6~7年ほど前に、わたしたちはもっと外に出てライドがしたくて、「がん克服のためのエンブリッジ・ライド」という2日間で約200kmを走るチャリティーライドに参加することにしたの。そうしたら、たちまちその種のイベントのためのトレーニングがわたしの最大のモチベーション要因になった。

そこから、ル・グラン・デフィにも出合ったわけ。ピエール・ラヴォワは、ふたりのお子さんを乳酸アシドーシスという珍しい遺伝病で亡くしたことから、ライドイベントを始めたの。その病気はこの地方特有のものなので患者数が少なくて、医学的な研究もほとんどされていない。そうした病気は稀少疾患と呼ばれていて、それを対象としたチャリティーはないも同然よ。


YRYR―ル・グラン・デフィについてもっと教えて。

SN200チームがそれぞれ5台のバイクで参加し、1,000キロのルートをリレー方式で走る3日間60時間のライドイベントよ。各チームは最低でも1万1,000カナダドルの募金を集めなければならないんだけれど、ほとんどはそれよりずっとたくさん集めるわ。集まったお金のうちその最低ラインを超えた分は、チームが選んだ学校に贈ってスポーツ用具を買う資金にしてもらうこともできる。すばらしいアイディアだと思わない? 

ライドの開催時期は毎年6月で、たいていは父の日の前後の週末。わたしたちは木曜の夜から日曜の午後までライドして、ケベック市内とその周辺を走るの。ルートは毎年変わるから、いろんな町を通るんだけど、多くの町が自分のところをルートに入れてほしいって要望しているわ。とにかく大きなイベントで、1,000人のサイクリストがいて、各チームの後ろには200台のサポート車両が続くわけだから、すごく大きな集団になるの。



YRYR ― 前回(2014年6月)のグラン・デフィに参加した感想は?

SN― わたしは少しナーバスになっていたわ。ライド参加者だったせいもあるけど、他にも理由があって... 

「シクル・ネロン」は、わたしのチームだけじゃなく、イベント全体のサポートに携わっていたの。つまり、わたしたちは1,000人のサイクリストのメインメカニックだったわけ。わたしは自分が走るのに加えて、参加者全員のバイクのサポートに必要な機材を忘れずに揃えているかに気を配らなければならなかった。おまけに、イベントの間じゅう雨が降っていたから余計に大変だったわ。

うちのメカニックたちはライドイベントの期間中に全部で700組のブレーキパッドを交換したのよ。200組しかブレーキバッドを用意していなかったから、足りない分のパッドを緊急に手配しなければいけなかった。そうしなければ、多くのライダーがゴールにたどり着けなかったでしょうね。

それ以外はすべてうまくいった。わたしは十分にトレーニングをしていて、肉体的には準備が整った状態だったわ。

― インタビュー後編に続きます。掲載は2015年1月2日(金)の予定です。

原文はこちら。(英文)

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