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2014年10月7日火曜日

丸山八智代レポート: デューク・オブ・エジンバラ・アワード

スペシャライズド・アンバサダーの丸山八智代さんからレポートが届きました。

The Duke of Edinburghs Award デューク・オブ・エジンバラ・アワード
日程:9月5~9日
参加人数:12
受け入れ先:Evergreen outdoor center 


私たち日本人にとってThe Duke of Edinburghs Award デューク・オブ・エジンバラ・アワードと言われてもなかなかピンと来ないのではないでしょうか?

1956年にイギリスのエディンバラ公爵殿下の創設により「The Duke of Edinburghs AwardDofE)デューク・オブ・エディンバラ・アワード」としてスタートしました。奉仕活動、冒険旅行などを通じて、14~24歳までの青少年を対象に、自主性、協調性を育み、自信や自尊心を高めることを目的とし、行った活動の時間数等に応じて賞(アワード)を授与する取組で文部省が推薦している青少年活動奨学制度なのです。

3つのコースに分かれておりゴールド・シルバー・ブロンズがある。難易度に分かれている。またそのコースには更に2つの班に分かれており、まずはプラクティスチーム。これからテストを受ける前の事前練習を兼ねたクラスアセスドチームはテスト本番クラス。気になる人はこちらにこの素晴らしい取り組みに関する詳細な資料がありますのでご覧ください。


私のチームはゴールドクラス・プラクティス12名の生徒が参加した。
具体的に何をしたかと言うと、MTBで地図を読みながら長距離移動してキャンプ生活4泊5日。GPS不可、コンビニNG。ただしローカルの地元農家野菜や郷土料理(長野だけにオヤキやソバは可)を購入可。基本、家からパッキングして持ってきた食材のみ。ゴミもすべて持ち帰る。走行ルートも生徒手動で考えて移動するので、基本私を含め引率の先生方はシャドウ的存在で着いていくのみ、といった具合です。


長野駅で生徒たちをピックアップすると、長野県飯綱高原キャンプ場で初めての夜を早速テントで過ごす。まずは生徒たちと明日から始まるMTBトリップルートのブリーフィングを行いました。

飯綱―野尻湖―戸隠―小川村―美麻村―白馬村 およそ160Km。
生徒たちは沢山の峠が待ち構えているハードなルートを選択。このルートを見た瞬間...長野県民なだけにヒルクライム多いな~っと内心ゾっとしていました(苦笑)


明日からはこちらの4人の生徒プラス1名の先生というグループ分けでその日の目標ポイントまで移動する事になりました。最終日まで一緒に同行するチーム。様々な国籍が集まる、まるでさながらワールドチームのよう。さあ今夜は早く寝て明日に備えよう!


初日 飯綱高原キャンプ場―野尻湖 

シャドー役の私は、チームの最後尾を走りながら着いていくのみ。 
がっしかし... 向かっている先が間違っていることに気が付いたのは6kmも下った後。チームの先頭に先回りしてStop!!!を告げる。

Ya-chan「ねえ。地図見た? このルートで間違いない?」 
生徒「えっ?誰も何も言わないからこっちに来ちゃった」

(この時、リーダーは日替わりで交代し各自に責任を持たせようと私は心に決めた。)

Ya-chan「リーダーはちゃんと地図を読んでリードしてくれなきゃだめだよ」
生徒「ごめん。いま地図を確認してみる」

しばらく路肩に止まり地図を広げる。GPSの使用は不可だ。アナログでの解析はとても難しい。標識を読んだりするしか手がありません。でも、なんだかルートミスして随分下ってしまったのはわかって来たようです。

生徒「ねぇYa-chan。。もしかして僕たち。。今来た道を戻るしか方法ない?」 
Ya-chan「... それしかないね」

なんとこの時、10%の斜度がある峠を6Kmも下ってしまった。口々に「わーっい Fujiyamaジェットコースターみたい」なんてはしゃいでいた坂道を今度はノボル事になってしまったのは 「全部Ya-chanのせい!なんで教えてくれなかった」という雰囲気に。

Ya-chan「いや、チームをStop!させたし 私はシャドーだって言ったでしょ。」「6km位で文句言うな~」

出発して早速微妙なムードのままスタートしたチーム。この先どうなっちゃうんだろうと不安いっぱいになります。誰一人コトバを発する事なく、黙々とペダルを漕いでノボル... そしてノボル。

しばらく行くと今日のリーダーが全体に休憩を促した。
久しぶりに各生徒が口を開く。ノボリキツイ…  全員同感。徐々に会話が弾みだした。

そして、一人の生徒が「Ya-chanごめん。さっきはあなたを責めた...」。

私はここでもう一度生徒たちにこのチャレンジをする意志を確認し、チーム全員でゴールまで頑張ろうと話しました。

この時、他のチームはずーっと先のポイントで私たちを待っていた。
午後、野尻湖高原キャンプ場に着いたのも一番最後。明日はミスコースなく走ろうと生徒たちは感じていたはず。


野尻湖高原キャンプ場にて全体ミーティング
私たちはコースミスをしたので遅れたが、その後GPSも使えないという条件から地元の人に声をかけて道を尋ねるという手段を取った。
これが意外と本家GPSマップよりも正確。地図を書いて渡してくれる親切な地元の方もいらっしゃいました。ありがとうございました。

精神的に疲労した1日目。早速寝袋に入るとテントを打つ雨音が一晩中続いた。


2日目



昨晩の雨は嘘のように青空が気持ち良い。濡れたテントをたたむとガスの音があちこちから聞こえる、朝食も各自でとります。

今日は50kmを超える長距離移動が待っていた。しかも幾つかの峠を越えなくてはならない。大人でもキツイルートを生徒は選んでしまいました。朝食もしっかりと食べておきたいが各自家から持ってきた物しか食べれないので、パスタを茹でたりチーズを挟んだラップなど工夫をして生徒たちは食べているようでした。

どんなに安いドリップコーヒーでもキャンプで飲むコーヒーは美味しい。カフェインが眠い身体にスイッチを入れてくれます。

(今日はとても長い1日になりそうなので、ケガなく全員が次のキャンプ場へ移動できますように。) そう祈って出発しました。

私たちのチームは、昨日の教訓を生かして日替わりの新しいリーダーがチームを先導することに。交差点の名前や右折、左折を確認してルートを進む。出だしはいい感じにチームに一体感もみられミスもなく進みます。よほど昨日のミスによるヒルクライムが堪えたように見えました。

不安になると地元のおじいちゃんに道を尋ねるなど、1日でこんなにも生徒は成長するものか?っと思うくらい慎重になっていました。勾配11%のヒルクライムがあることを知っていたからかもしれません。

野尻湖~戸隠。


最初の峠は長くて所々がキツクする難所。ボディーブローのように生徒の体力を徐々に奪っていきました。

生徒「Ya-chan‼ あとどれくらい走れば頂上に着くの?あと何km??」
Ya-chan「…嘘つけないから正直いうけど、まだまだずーっと先だよ 残り8km位かな?」
生徒「えええええっ もう無理。歩いて良い?」 

そんな会話を繰り返しながら我がチームは昨日のリベンジを果たすべく最初に戸隠へ到着しました。


早く到着した我がチームは、地元の特産物は食べても良いというルールの下、戸隠そばソフトクリームを堪能しました。最高にスムーズな口当たりで、疲れた身体にパワーをくれました。後半頑張れそう! そろそろ生徒たちが自宅より持ち寄った食材が底を着きだす頃なので、地元直販の野菜やフルーツを購入することにしました。リンゴや桃、ぶどうが生徒には人気でしたね。スナックとしてお手頃な人参も人気の食材でした。


せっかくのMTBをオンロードだけの移動で使うのはもったいないので、トレイルを使って移動もしました。生徒にとってキツイ区間だったけど、楽しんでもらえたようです。

戸隠を後にすると次は小川村まで移動です。今日のキャンプ地は「星と緑のロマン館」。
生徒たちが名前が良いという理由で決めたキャンプサイトです。しかし、このチョイスが生徒たちを苦しめます。

ノボレど走れどキャンプ地の標識は見えてこない、九十九折の坂道が続きます。生徒の「あと何キロ?」「あといくつ峠が残ってる?」質問攻めでチームは進みます。これは地図を平面で見ているためでした。あーだこーだ言いながら景色の良い場所に着きました。大望峠です。ここでチーム全員が揃うのを待ちます。


このすぐ後に残り5kmの標識が見えるのですが、ここからが今日の本番?!
星と緑のロマン館への道は、斜度12%という箇所もあり5kmすべてがヒルクライムでした。
もう完全に自転車を押し上げる生徒、会話なんてしている余裕すらありませんでした。ただひたすら前に進むのみ!暗くなる前にテントを張りたい気持ちでいっぱいでした。昨晩の雨でテントは未だ濡れたままです。ただ、黙々と前を見て進みました。

午後4時半ごろ、私たちのチームは目的地に到着し、テントを設営しました。最後のチームも5時には到着しました。


夕焼けがとても綺麗でした。生徒たちは誰一人ギブアップする事なく完走しました。

この夜、本来なら疲れているハズの生徒たちでしたが、テンションが高く、なかなかテントに戻りませんでした。達成感でいっぱいだったのでしょう。本当に、よく頑張りました。


3日目



小川村~美麻への移動25km。昨日の半分の距離であることから生徒たちから余裕がみられます。朝はみんなでストレッチをして、からだをほぐしてから出発しました。



25kmだけとは言え、9%の勾配が生徒を苦しめた時。

今日のキャンプ地は大町市美麻にある中山高原キャンプ場。



まるでヨーロッパにでも来たような素晴らしいロケーション。ラッキーなことに、白いソバの花が満開でとても綺麗でした。テントの設営を済ませると、MTBのスキルアップレッスンを行いました。



丸太越えやフロントウィールリフトなどにチャレンジ。見るのと、実際にやってみるのは違います。そして、全員に見られてる中で行うという緊張感もあります。


地形を利用して劇坂チャレンジも面白かったですね。生徒たちはキャーキャー言いながらチャレンジしました。


スキルアップレッスンの後は、キャンプ場の回りをツーリング。
残りあと1日。明日はいよいよ白馬に向けての最終日です。
生徒たちも疲れがあるようで、早めの就寝。


10時間も毎日寝るなんて、下界に戻ったらぜいたくな話。
夜はヘッドランプの電力を節約したいから、ご飯を食べると後は寝るしかないのです。

でも、「やはり昨日の移動は長かったね~」なんて引率の先生たちとハーブティーを飲みながら、この旅の話で盛り上がりました。学校の先生たちも生徒の様子が日々変わっていく変化に驚いていました。やって良かった。すべてがポジティブに動いてくれたと感じました。

最初はミスルート連発でどうなっちゃうんだろうと心配だった我がチームも、その後はすべてのコースで最初にゴールしていました。引率の先生がしっかりしてないと子供たちがしっかりしてくるのかもしれませんね。 明日この生徒たちをゴールさせたら私の仕事は終わり。なんだかさみしいような、早くゴールしてお風呂に入りたいような複雑な気持ちでいっぱいでした。

 4日目



キャンプ生活も4日目を迎えると朝5時起きが普通になっています。


ルートはなるべくオフロードも入れて帰りたいという生徒たちからのリクエストで、塩の道を走りながら地元の歴史にふれつつ、白馬まで戻りました。あと2kmのサインが見えたときの、安堵な表情と嬉しそうな生徒たちの笑顔が印象的でした。


これまでの生徒たちと過ごした4日間の道のりがハイライトシーンのように私の脳裏を通過しました。このチャレンジに同行できたことをうれしく思いました。ゴールは生徒全員でしようと提案すると、全員一致!スピードを合わせて走ろう!!


最終ゴールとなるEver Green Outdoor Centerに近づくとスタッフが拍手で迎えてくれました。生徒たちも歓喜のゴールです。涙なのか汗なのか… 目の前が曇りました。


最高の生徒とのデューク・オブ。エジンバラ・チャレンジに同行できたことは、私の人生において特別な思い出になりました。改めて、この機会をくれたEvergreen outdoor centerディレクター Daveに感謝します。

Ya-chan

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